スマート農業の普及に関連してITエンジニアが果たす役割

スマート農業は米国などで既に大規模な導入が行われている一方、国内では導入例がなかなか伸びていないのが現状です。その背景としては、ITやIoTという単語を聞いて「自分には分からない」と感じてしまう人が多いことが挙げられます。そこで重要になってくるのが「ITエンジニアによるサポート」です。

農業従事者は高齢化が進んでおり、PCを使った作業に苦手意識を持つ人も少なくありません。こうした状況を打破するため、多くのメーカーではITエンジニアを派遣して、実際の農地でドローンやトラクターを使用したデモンストレーションを行い、その便利さを実感してもらうようにしています。地元の農協とパートナーシップを結び、定期的に説明会を実施しているケースも少なくありません。農林水産省も全国各地で実施されているこうした啓蒙活動をサポートしています。

実際にスマート農業を導入した農家に対しても、電話やメールで簡単に相談できるプラットフォームを作ることで手厚いサポートを行っています。こうした丁寧なバックアップを行うことで、ITに関する知識をそれほど持たない農業従事者であっても、安心してシステムの運用を継続することができるのです。

スマート農業の認知度を高めるため、最近では農業高校や大学の農学部などでセミナーを開催するケースも増えています。これからの農業を担う若者たちにスマート農業の持つ利点を知ってもらうことで、さらなる普及を目指すのが狙いです。