農業未経験者の新規参入の促進にもつながるスマート農業

農業は何世代にも渡って家族で営んでいるケースが多く、まったく経験のない人が参入しにくい産業の1つと考えられています。
そのため、少子化に伴って家業を継ぐ人がいなくなり、そのまま廃業してしまう人が年々増加しているのです。とはいえ、近年この流れに歯止めをかけるため、官民一体となって取り組んでいるのがIT技術を生かしたスマート農業です。これにより、農業への新規参入が徐々に増加しつつあります。

農業未経験者の新規参入が増えている理由として「スマート農業はデータ化されたマニュアルがある」という点が挙げられるでしょう。
これまで農業と言えば、経験者による感覚やイメージを頼りにして、収穫までの各工程を進めていくというケースが多く見られました。一方、スマート農業ではあらゆる作業を数値化してデータにまとめていき、AIによって分析をしながら最適解を見つけていくという手法が用いられています。つまり、農業の経験をほとんど持たない人でも、AIの指示通りに作業を進めていけば、ほぼ確実に一定量の収穫が見込めるというわけです。

コンバインやトラクターなど、無人で作業をしてくれる非常に便利な農業用機械が登場しているという点も新規参入のハードルを下げることに寄与しています。
GPSで作業するエリアの範囲を事前に設定しておけば、あとは全自動で進めてくれます。リモコンで細かく操作することも可能です。こうしたマシンをうまく活用することにより、未経験者が慣れない農作業によって強い身体的な負担を感じるということが少なくなっています。